日本が食料輸入大国になった理由2

経済成長とともに日本人の食生活もレベルアップしていきます。

1.主食としていたトウモロコシ・イモ類・アワ・ヒエの雑穀からたコメ・小麦を食べるようになる。
2.次に主食の消費が減少し肉・卵・魚・植物油などの副食の増加。
3.アルコール飲料の消費も増加。
4.レトルト食品・外食が増え食生活が簡単になる。

そして肉の消費も増加していくことになります。

どれぐらい増えたかを言いますと1960年に一人あたり年間消費量で見てみます。
牛肉が1.1kg・豚肉が1.1kg・鶏肉が0.8kgだったのが2007年には牛肉が5.7kg・豚肉が11.6kg・鶏肉が10.8kgに増えています。

この食生活の変化に政府はどう対応しようとしたかと言えば1961年の「農業基本法」の制定に話を戻します。
コメを日本の最重要作物と定めて機械化して増産を図るという狙いは「農業基本法」の本管をなすものですがうひとつ目的があります。

これこそが本日の日本の食料事情の問題の始まりだったのです。

それは国内の畜産農家を育成して畜産を振興し所得を向上させ需要の拡大が見込まれる肉や乳製品などを国産で生産するという話までは良かったのですが・・・・・。
家畜のえさになる小麦・大豆・トウモロコシはアメリカや外国から輸入すると決定したのです。

狭い日本の国土では飼料作物はまかなえないと判断したわけです。
国産より海外から安い小麦・大豆・トウモロコシを輸入したほうが効率が良いとなったわけです。

そのために穀物を作っていた国内の農家の多くは経営的に厳しくなり生産をやめます。
この政策が食料自給率に与える影響は大きいものがあります。

食肉を生産するための餌を外国に頼り国産ではまかなわずに外国からの輸入に依存するからです。
ここに日本の食料自給率が低下した最初の大きな原因があるのです。

肉の消費が増え主食であるコメの消費が減少していきます。
以前の比べてコメの消費は半分にまで減少していきます。

1963年には1341万トンの消費が926万トンと約半分にまで減少していきます。
消費が減って大量のコメが余ることになり終戦直後には想像もできなかった事態に政府は慌てます。

1970年からは「減反」を実施することになります。
小麦や大豆などの農作物の生産に鞍替えする農家もいたがコメに比べ費用対効果の割に合わず耕作をやめてしまう人が多かったのです。

日本の食料自給率をさらに押し下げたのが1970年代に起こるファミリーレストラン・ファーストフード・外食産業・スーパーマーケット・コンビニエンスストアなどの小売業の登場です。

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