ライフラインが消える

では人口減少と高齢化の二大危機に襲われる日本の近未来の姿はどんな街になるのだろうか。
まず人口が少なくなると水道水の需要は半減すことになります。

バスや電車の交通機関は地域から去って行きますし地銀の支店などもその土地から引き上げていきます。
これが地域の近未来の姿となるのは空想ではなく現実の話なのです。

水道の話がでましたので少し説明を加えてみたいと思います。

水道配水管は40年が法定耐用年数とされていてそれ以上使用する場合には漏水や濁水を防ぐ補修作業を必要とします。
水道の補修やメンテナンスには膨大な費用がかかるのですがこれは水道料金で賄ってきました。

水道事業収入も現在の半分ほどになってしまうので配水管の法定耐用年数がきても補修するのが難しくなってきます。
いやそれよりもその費用が捻出できなくなる恐れが大きいのです。

それに例えば漏水事故を防ぐための維持費が捻出できなくなるので水道料金を値上しなくてはいけなくなります。

高齢世帯には水道料金の値上げは重い数字となってきます。
値上げしても人口が減っていくので自治体の水道事業収入の減少はむしろ値上げでも対応できなくなる日が来るのです。

水道から濁った水が流れても手当のできない自治体が出現する可能性もあります。

市民の足であるバスも鉄道も人口減少の影響はもろに受ける産業です。
人口が減れば交通機関も撤退してしまいます。

交通機関各社の減収減益を支えるにはリストラや給料カットなどの小手先だけでは限界が見えています。
減収の主な原因は人口減少や高齢化が進んでいるからです。

それから高齢者が増えても病院は近くになくなりますし0~14歳の子どもの比率はわずか8%になります。
子供の減少は学校の統廃合にもなりますのでこの5年間で1000の小学校が閉校してしまいました。

教育関係者は「子どもが減る」ことに頭を悩ます一方で医療関係者は「高齢者が増える」ことに不安を抱えています。
現在でも患者が多すぎるぐらいですが人口が減ることは高齢者の割合が高まり彼らを診療・ケアする若い医師の人材が不足なのです。

医療・看護関係の人材不足は日々深刻化しています。

厚生労働省によれば看護職員数の必要数(約140万人)に対して毎年約5万人不足している状態が続いています。
数年後にはベテラン職員の大量退職が控えており2025年には約20万人が不足するという試算も出されているようです。

職員が減少すれば統合する病院も現れ規模の小さな自治体からは病院がなくなる可能性もあります。
病院のない高齢者の街ではとても将来は住めません。

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