農地法を変えれば人材確保は出来る

うわべだけの農業論を唱えてもらちが行かないので農地法に付いて最後にお話します。
農地法の基本理念は「自作農主義」と言われております。

これは小作人に所有権を与え成果を維持・固定するためにだけ作られた制度なのです。
農地法はでは「所有、経営、耕作(労働)」が最も適当だとする考えです。

ですが、これでは世界市場では太刀打ちする農業経営はできません。

大型化するには農地の耕作は従業員が農地の所有は株主に任せる発想が必用になってきます。
それには農地法を見直さなければならない時期に来ているともいえるのです。

自作農主義では零細農家のままですので世界の農産物には価格面において勝てません。
そこで2009年の法改正により、農地法第一条から自作農主義を規定した文言は削除された。

ところがまだ今でも家族経営が法人成りしたような「所有、経営、耕作」の農民的土地所有に近い状態です。
土地や農業機械等の資本も含めた農場の所有者とその経営者は同じである必要はないのです。

経営は農民にはできませんのでプロに任せるべきです。
土地所有者と経営者はそこに投下した資本で配当を分ける方式にすべきです。
これはブラジルなどで普及している農業経営です。

現在の日本では仮に農業に新しく参入しようとする場合には出資者の過半が農業関係者であることの条件が付きます。

それにその会社の農作業に従事しない限り農地法上認められない仕組みになっているのです。
農地の所有者は農業従事者に限られるという仕組みになっているのです。

このため簡単には農業に参入できないのです。
株式会社であれば「所有と経営の分離」により事業リスクを株式の発行によって分散できるメリットがあります。

日本の農政は意欲のある農業者や企業的農業者の参入を可能とする道を自ら絶っているのが現状なのです。
後継者のいないこれからの農業で生き残る道は無いのです。
全ては農政のやり方で決まるのです。

農家の子弟は相続で農地は自動的に取得できても耕作放棄してるだけです。
それなのに農業に魅力を感じて就農しようとする人たちには農地法の仕組みで農地取得を困難にしているのです。

農業という「職業選択の自由」を奪っていることにもなるのです。
これでは農業を経営としてやってみようという意欲は失われます。

EUのように都市地域と農業地域を明確に分け農地価格が宅地用価格と連動しないような仕組みにすべきです。
新規参入者や規模拡大に意欲を持つ農業者に土地所有権を取得しやすくすべきです。

そうすれば農地を返してもらいたいときでも宅地とは区別しているので将来も安心なのです。
今の農地法では家族経営でしか成り立ちませんので未来の日本の農業はありません。

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